目次
- ブートローダ
- GRUB
- 起動オプションの設定
- システムの回復
ブートローダ
ブートローダとは、カーネルをハードディスク内から読み込み、システムを起動する為のプログラムです。
代表的なブートローダには、GRUBやLILOがあります。
GRUB(GRand Unified Bootloader)
GRUBは多くのディストリビューションで標準的に利用されているブートローダです。GRUBの特徴は以下の通りです。
- 多数のファイルシステムを認識可能
- シェル機能を搭載し、コマンドによる高度な管理が可能
GRUBには古くから使用されてきたGRUB Legacyと新たに設計されたGRUB2があります。
GRUB Legacy
GRUB Legacyは3つのステージから構成されます。
ステージ | 説明 |
1 | MBR内に設置され、ステージ1.5と2をロードするプログラム |
1.5 | ステージ2を見つけロードする為のプログラム |
2 | /boot/grubディレクトリ以下にあるGRUBの本体 |
ステージ1はMBR内に配置された小さなプログラムで、ステージ1が実行されるとステージ1.5を読み込んで制御します。
ステージ1.5はステージ2のプログラムを、ファイル状のパスを使って見つけ出し、読み込んで制御を移すプログラムです。ファイルシステムを理解する必要がある為、ファイルシステムごとに用意されています。
ステージ2は/boot/grub/stage2というプログラムで、メニューを表示し、選択されたOSもしくはカーネルを起動するGRUBの本体プログラムです。
ブートローダとしてGRUBをインストールするには、grub-installコマンドを実行します。
GRUB Legacyの設定ファイルは/boot/grub/menu.lstです。以下、/boot/grub/menu.lstの設定ファイルで主に用いられるパラメータです。
パラメータ | 説明 |
timeout | メニューを表示している時間 |
default | デフォルトで起動するエントリの番号 |
splashimage | メニュー表示時の背景画像 |
title | メニューに表示されるエントリ名 |
root | カーネルいえめーじもしくはOSが格納されているパーティションの設定 |
kernel | カーネルイメージとカーネルオプションの指定 |
initrd | 初期RAMディスクファイルの指定 |
makeactive | ルートパーティションをアクティブ化 |
chainloader | 指定されたセクタの読み込みと実行 |
hiddenmenu | 起動時の選択メニューを表示しない |
GRUB2
GRUB2の設定ファイルは、BIOS搭載機では/boot/grub/grub.cfg、UEFI搭載機では/boot/efi/EFI/<id>/grub.cfgです。
GRUB Legacyと異なり設定ファイルを直接印刷することはありません。
設定ファイルは/etc/default/grubファイルで行い、gurb-mkconfigコマンドでgrub.cfgファイルを作成します。
起動オプションの設定
ブートローダには、起動時にカーネルやinitプログラムに渡すオプションパラメータを指定することも出来ます。以下、指定できる主なパラメータです。
パラメータ | 意味 |
init=パス | 指定したパスのコマンドを初期プログラムとして指定する |
mem=nM | 物理メモリをnMBに指定する |
nosmp | SMPマシンをシングルプロセッサとして動作させる |
noht | HyperThreading機構を無効にする |
maxcpus=数 | 利用するCPUの数を指定した数に制限する |
root=デバイス | ルートファイルシステムを指定する |
read-only、ro | ルートファイルシステムを読み取り専用でマウントする |
single、s | シングルユーザーモードで起動する |
数値 | 指定した数値のランレベルで起動する |
システム起動後に起動オプションを確認するには、/proc/cmdlineを参照します。
システムの回復
ハードディスクからシステムが起動できなくなった場合は、インストールCD/DVD-ROMに内蔵されているレスキューモードなどを使ってCD-ROMから起動し、システムを修復します。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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