地理学

温帯とは?自然や分布、住民生活について

目次

  • 温帯とは?
  • 温帯地域の自然
  • 温帯地域の分布
  • 温帯の住民生活
  • 西岸海洋性気候の自然と住民生活

温帯気候とは?

温帯気候には、温暖湿潤気候と西岸海洋性気候、温暖冬季少雨気候、地中海気候があります。

温暖湿潤気候はモンスーン(季節風)の影響の大きい地域地域で冬は寒い大陸の方から風が吹いて寒く、夏は海の方から湿った風が吹いてきて降水量が多く、夏冬の温暖さが大きい気候です。大陸の東岸に見られ、日本を含むアジアに典型的な気候の為、モンスーンアジアと呼ばれています。落葉広葉樹や常緑広葉樹、常緑針葉樹が混在する混合林が分布します。

西岸海洋性気候は大陸西岸で、冬に暖かい海の方から偏西風が吹いてくるため、夏冬の温度差が小さくなります。西ヨーロッパなどに典型的な気候です。

温暖冬季少雨気候は、モンスーンの影響で夏に雨が集中する中国からインド北部に分布します。アフリカと南米の低緯度のサバナ気候に接する高原にも分布します。

地中海性気候は、夏に乾燥し冬に和えが降る気候となり、夏の乾燥に会えるために水分の蒸発を防ぐように葉が小さく硬いオリーブやコルクガシなどの広葉樹が分布します。ブドウ栽培が盛んでワインの産地となります。

温帯地域の自然

温帯地域の分布

温帯には、温暖湿潤気候、西岸海洋性気候、温暖冬季少雨気候、地中海性気候の地域があります。

温暖湿潤気候は緯度30~40度の大陸東岸に分布します。夏が高温、冬が低温で気温の年較差が大きく四季がしっかりと分かれています。夏にモンスーン(季節風)の影響で大量の雨が降ります。モンスーンアジアでは稲作が行われています。低緯度側は常緑広葉樹(照葉樹林)、高緯度側は混合林が主に分布します。

西岸海洋性気候は緯度40~60度の大陸西岸に見られ、一年を通して偏西風帯で平均した降水量があります。高緯度の為に夏は冷涼ですが、海洋の影響で高緯度のわりに冬は温暖で、気温の年較差が小さくなります。落葉広葉樹が主に分布します。

温暖冬季少雨(温帯夏雨)気候は、モンスーンの影響で夏に雨が集中する中国からインド北部地域に分布します。主に照葉樹林が分布します。

地中海性気候は、緯度30~40度の大陸西岸に分布し、夏は亜熱帯高圧帯の影響下で乾季、冬は偏西風帯(寒帯前線)の影響下で雨季となります。乾季に強い硬葉樹(オリーブ、コルクガシ)が生育します。地中海沿岸、カリフォルニア、チリ中部、アフリカ南端、オーストラリア南岸に分布します。

温帯の気候メカニズム

比熱が個体では小さく、液体では大きい為(水が1に対して、大陸は平均して約0.3)大陸は冬に急速に冷やされるが、海の水はそれほど冷えず、冬は会場の方が大陸より気温が高くなります。ヨーロッパは冬に温かい海の方から偏西風が吹いてくるし、さらにヨーロッパの大西洋岸には北大西洋海流という暖流が流れており、そこを通過して偏西風が吹いてくるのでヨーロッパで海に近い地方はそれほど寒くなりません。夏は海の方が大陸より涼しいので、海から吹く偏西風によってヨーロッパはそれほど熱くなりません。このように大陸西岸は夏にそれほど暑くならず、冬温かく気温の年較差の小さな西岸海洋性気候となります。

一方、大陸東岸の日本は冬に急激に冷やされる大陸のシベリアの方から北西の季節風や偏西風が吹いてくるため冬が寒くなります。また、夏は南東の熱帯の海の方から季節風が吹くため、蒸し暑く、気温の年較差の大きな温暖湿潤気候となります。

一般的に夏が雨季、冬が乾季になることが多くなります。例えば、サバナ気候はその典型例です。しかし、北緯30度のやや北から40度にかけてでは、7月は亜熱帯高圧帯化で乾燥し、1月に亜寒帯低圧帯の影響を受けて降水がる冬雨型の地中海性気候になります。南半球で見ても南緯10度のやや南では夏に雨季、冬に乾季のサバナ気候、南緯30度のやや南から40度にかけてでは、夏に乾季、冬に降水がある地中性気候となります。このような大陸西岸と東岸、北緯30度のやや北から40度にかけてと南緯30度のやや南から40度にかけての地域では、それぞれ気候が異なるため、植生などの自然に差が出てくれるのです。

温帯の住民生活

西岸海洋性気候の自然と住民生活

ヨーロッパは日本より高緯度にあるため、冬が長く夏が短くなります。太陽高度が日本より低い為です。ヨーロッパは一般的に秋が短く、夏が終わって木々が紅葉したと思ったらすぐに雪が降って冬になります。ドイツやフランスなど中部ヨーロッパでは、冬の期間はあまり晴れず、陰鬱な時期になります。冬は暗くて長い為、春になると一斉に人々は少しでも太陽を浴びようと戸外に出ます。テラス席などがとても人気です。

温暖湿潤気候の日本は降水量が多く東京の年間降水量は1500mm程です。一方、西岸海洋性気候の地域は日本よりかなり降水量が少なくロンドンは640mm、パリは650mm、ベルリンは580mmと日本の半分ほどです。降水量の違いは、様々な文化の特徴に影響を及ぼします。日本とヨーロッパで大きく違うものは食事です。ヨーロッパはパン文化つまり小麦文化です。小麦栽培は米に比べて降水量の少ない環境に適しています。したがって、日本に比べ降水量の少ないヨーロッパではパン文化が発達しました。一方、降水量の多い日本では稲作が発達しました。