地理学

気圧帯とは?気候を学ぶ上で重要な気圧について

目次
  • 気圧帯とは
  • 気候を学ぶ上で気圧は超重要
  • 気圧帯の分布
  • 赤道気圧帯
  • 亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)
  • 亜寒帯低圧帯(高緯度低圧帯)
  • 極高圧帯

気圧帯とは?

気圧帯とは、帯状に分布している気圧の分布のことです。

世界中の気圧を地球規模で見ると高気圧や低気圧が帯状に分布している部分があります。

気圧とは地表面が受ける大気の圧力のことです。

周囲に比べて気圧が低いところを低圧部、高いところを高圧部と言います。低圧部では上昇気流ができ、高圧部では下降気流ができます。

気候を学ぶ上で気圧は超重要

気圧を学ぶことは、気候を学ぶにはとても重要です。

理由は気圧が気候に与える影響がとても大きいからです。

気圧が気候に与える影響は大きく分けると降水量と風です。

気圧が降水量に影響を与える

気圧は降水量に影響を与えます。

低気圧がある場所では上昇気流が発生します。上昇気流で水蒸気が上昇し上空で水蒸気が冷やされて雲ができ、雨が降ります。

高気圧がある場所では下降気流が発生します。下降気流によって空気が低気圧に向かう為、高気圧がある場所は乾燥します。

気圧が風に影響を与える

気圧は風にも影響を与えます。

地表付近の風は高気圧から低気圧に向けて吹きます。低圧帯で上昇した空気が高圧帯で下降します。高圧帯で下降した空気が低圧帯を目指して吹きます。恒常風はこのサイクルを繰り返します。

つまり、地表部分では高圧帯から低圧帯に向かって風が吹きます。

気圧帯の分布

地球規模では、赤道付近に形成される赤道低圧帯、南北回帰線~緯度30度付近に形成される亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)、緯度50~60度付近に形成される亜寒帯低圧帯(高緯度低圧帯)、極付近に形成される極高圧帯の4つの気圧帯があります。

赤道気圧帯

赤道付近に形成された気圧帯を赤道低圧帯と言います。

赤道付近は年間を通して気温が高く、常に地表付近の空気が暖められています。地表付近の空気が暖められると、軽くなって上昇気流となる為、低圧帯が形成されます。

南北両方から貿易風が吹き込むことから熱帯収束帯(熱帯前線)とも呼ばれます。

年間を通して赤道低圧帯の影響を受ける赤道付近は年中多雨となります。

亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)

南北回帰線~北緯30度・南緯30度付近に形成される高圧帯を亜熱帯高圧帯と言います。

赤道付近で上昇した空気は上空で冷却され、南北回帰線~北緯30度・南緯30度付近で下降してくるため、高圧帯が形成されます。

亜熱帯高圧帯から赤道付近に向かって貿易風が吹きます。亜熱帯高圧帯から北緯60度・南緯60度付近に向かって偏西風が吹きます。

年間を通して亜熱帯高圧帯の影響を受ける南北回帰線~北緯30度・南緯30度付近は年中乾燥するところが多く、砂漠が形成されます。

亜熱帯高圧帯にはサハラ砂漠やカラハリ砂漠、グレートサンディ砂漠などがあります。

亜寒帯低圧帯(高緯度低圧帯)

北緯50~60度・南緯50~60度付近に形成される低圧帯を亜寒帯低圧帯と言います。

緯度30度付近から吹いてくる偏西風と北極・南極から吹いてくる極東風がぶつかり、高緯度側から吹く冷たい極東風が低緯度側から吹く温かい偏西風を押し上げることで上昇気流となり、低圧帯が形成されます。

極高圧帯

北極・南極付近に形成される高圧帯を極高圧帯と言います。

北極・南極付近は年間を通して気温が低く、常に空気が冷却されています。空気が冷却されると重くなって下降気流となる為、高圧帯が形成されます。

極高圧帯から北緯60度・南緯60度付近に向かって極東風が吹きます。