地学

日本列島形成のルーツ日本海開裂について

目次

  • 日本海開裂
  • 日本海開裂とは?
  • 日本海開裂の流れ

日本海開裂

日本列島の成り立ちに深く関与している1900万年前~1500万年前の日本海開裂について説明します。

日本海開裂とは?

日本海開裂とは、1900万年前~1500万年前にユーラシア大陸の一部であった日本が、大陸の縁で東西に引き裂かれ、日本列島が大陸から離れ、その間に海水が入り込み縁海である日本海が誕生したことです。縁海とは、島や島弧、半島を境に大洋に接している海のことです。

大陸の縁が引き裂かれ日本海が出来た理由は諸説ありますが、有力なのはアセノスフェアと呼ばれる高温で柔らかいマントルが、数百~数千kmもの巨大な流れとなり大陸地殻の下に流入したことで、海洋プレートが海側へ押し込まれ大陸に割れ目ができて拡大し、海水が侵入して日本海が出来たというものです。詳しくは以下の記事を読んでみて下さい。

日本海開裂の流れ

日本海開裂によって分断された日本列島は、回転しながら東側へ移動しました。この時、東日本は反時計回りに、西南日本は時計回りに回転し、両者の間にフォッサマグナが形成されました。日本列島は全体に外側に引っ張られる力が加わり、地殻は引き伸ばされ、日本列島の地殻の中に大規模な正断層が出来ました。その後、日本海は開裂を止め、日本列島は圧縮(押される力)も伸張(引っ張られる力)もない状態が1000万年ほどつづきました。

300万年前ごろから、日本列島付近はつよい圧縮の力を受けるようになりました。西南日本の下に沈み込むフィリピン海プレートの運動が変化した影響と考えられています。列島への力が圧縮に変わると地殻が引き伸ばされた時に作られた正断層が、地殻の弱い部分となって今度は逆断層になりました。このような逆断層は多くがそのあと活断層として活動を続け、山地と平野、盆地などの地形境界となり日本列島の凹凸を作っています。つまり、現在の日本列島形成のルーツは日本海開裂です。

また、本州が中央部で弧状に曲がっているのは、日本海の拡大によって2つの弧に分断されたためです。折れ曲がった部分は陥没帯となり、フォッサマグナになりました。この陥没帯はその後の火山活動や堆積作用で厚く埋められていて、大陸を作っていた基盤岩を地表で見ることは出来ません。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。