目次
- システムクロックの設定
- システムクロックとハードウェアクロック(ハードウェアクロック、システムクロック、dateコマンド、hwclockコマンド、timedatectlコマンド)
- NTPによる時刻設定(ntpdateコマンド、NTPサーバーの運用)
- Chrony
- メール管理
- メール配送の仕組み
- MTAの起動
- メール送信と確認
- メールの転送とエイリアス(/etc/aliasesファイル、.forwardファイル、メールキューの操作)
システムクロックの設定
システムクロックとハードウェアクロック
ハードウェアクロック
ハードウェアクロックとは、コンピューターにハードウェアとして内蔵された時計です。
この時計は電源がオフの応対でも動作します。
システムクロック
システムクロックとは、Linuxのカーネル内に存在する時計です。
システムクロックは、Linux起動時にハードウェアクロックを参照して設定されますが、その後は別々に動き続けます。その為、起動してからの時間が経過するにつれ、ハードウェアクロックとシステムクロックの差が生じてきます。
dateコマンド
dateコマンドを使うと、システムクロックを参照して現在の日時が表示されます。
hwclockコマンド
hwclockコマンドとは、dateコマンドで設定したシステムクロックをハードウェアクロックにセットするコマンドです。
オプション | 説明 |
-r | ハードウェアクロックを表示する。 |
-w(–systohc) | システムクロックの時刻をハードウェアクロックに設定する。 |
-s(–hctosys) | ハードウェアクロックの時刻をシステムクロックに設定する。 |
timedatectl
timedatectlコマンドとは、systemdを採用したディストリビューションで、日付と時刻、タイムゾーンを管理できます。
サブコマンド | 説明 |
status | 現在の状態を表示する。(デフォルト) |
set-time 時刻 | 時刻を設定する。(HH:MM:SS) |
set-time 日付 | 日付を設定する。(YYYY-MM-DD) |
set-time 日付 時刻 | 日付と時刻を設定する。(YYYY-MM-DD HH:MM:SS) |
set-timezone タイムゾーン | タイムゾーンを設定する。 |
list-timezone | タイムゾーンを一覧表示する。 |
set-ntp yes|no | NTPを使うかどうか。 |
NTPによる時刻設定
ハードウェアクロックもシステムクロックもあまり正確ではありません。
正確な時刻を設定するには、ネットワーク経由でクロックを同期するプロトコルであるNTPを使い、インターネット上にあるNTPサーバーから正確な時刻を取得します。
ntpdateコマンド
ntpdateコマンドとは、指定したNTPサーバーから現在時刻を取得するコマンドです。
NTPサーバーの運用
NTPサーバーを自前で運用することも出来ます。
ntpqコマンドを使うと、NTPサーバーの状態を照会することが出来ます。
NTPサーバーの設定は/etc/ntp.confで行います。
Chrony
Chronyはntpd/ntpdateの代替となるNTPサーバー/クライアントソフトウェアです。
デーモンプロセスchronydと、クライアントコマンドchronycから構成されます。
設定ファイルは/etc/chrony.confです。
chronydの管理はchronycコマンドで行います。
サブコマンド | 説明 |
activity | NTPサーバーのオンライン/オフライン数を表示する。 |
sources | 時刻ソースの情報を表示する。 |
sourcestatus | 時刻ソースの統計情報を表示する。 |
tracking | トラッキングを確認する。 |
quit | 対話状態を終了する。 |
メール管理
メール配送の仕組み
電子メールを取り扱うソフトウェアには、MTA(Message Transfer Agent)やMDA(Mail Delivery Agent)、MUA(Mail User Agent)があります。
メール配送に使われるMTAは、SMTPプロトコルでメッセージをやり取りする為、SMTPサーバーとも呼ばれます。
代表的なSMTPサーバーには、sendmail、Postfix、eximなどがあります。
MTAの起動
システムによって、どのMTAプログラムがインストールされているかは異なります。
25番ポートを開いているソフトウェアを調べると、稼働しているMTAを確認できます。
メールの送信と確認
コマンドラインでメールを送信したり、受信メールを確認するには、mailコマンドを使います。
メールの転送とエイリアス
ある宛先に届いたメールを、別のメールアドレスで受け取ることが出来るようにするには、/etc/aliasesでエイリアスを設定する方法と、各ユーザーのホームディレクトリには.forwardファイルを用意する方法があります。
/etc/aliasesファイル
/etc/aliasesファイルを利用すると、メールアドレスの別名(エイリアス)を設定できます。
/etc/aliasesファイルの設定を有効にするには、newaliasesコマンドを使います。
newaliasesコマンドは、/etc/aliasesの設定をもとに、MTAが実際に参照するエイリアスデータベースファイルの/etc/aliases.dbを更新します。
.forwardファイル
メールを転送するもう1つの方法は.forwardファイルを使う方法です。
この場合は、各ユーザーのホームディレクトリに.forwardファイルを用意し、その中に転送先のメールアドレスを記述します。
メールキューの操作
送信町のメールは、メールキューに蓄えられています。
送信先メールサーバーが停止していて送信できないような場合、メールはいったんメールキューに保存されます。
メールサーバーが復旧するとメールは送信され、メールキューから取り除かれます。
また、宛先がDNSで検索できなかったメールなどメールキューに保存されます。
メールキューの内容を表示するには、mailqコマンドを使います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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