地理学

気温とは?緯度や標高、海からの距離による気温の変化

目次
  • 気温とは?
  • 緯度による気温の変化
  • 標高による気温の変化
  • 海からどれくらい離れているかによる気温の変化

気温とは?

気温とは、大気の温度のことです。

緯度や標高、海からどれくらい離れているかによって気温が変化します。

緯度による気温の変化

緯度は気温を変化させる要因の一つです。

気温は低緯度地域で高く、高緯度地域で低くなります。これは、太陽から受ける熱量が低緯度ほど多く、高緯度ほど少ないためです。

高緯度地域は太陽の光が斜めからしか当たらず弱く、気温が低くなります。一般に高緯度地域ほど年間での気温差が大きくなります。低緯度地域は太陽の光がしっかりと当たり、気温が高くなります。

標高による気温の変化

標高も気温を変化させる要因となります。

標高が高くなると気温は低下します。例えば東京と富士山は緯度がほぼ同じですが、年平均気温を比較すると東京が15度に対して、富士山の山頂付近は-6.2度です。標高が100m上がると気温は0.65℃低下します。

地球は太陽から熱を受けていますが、太陽の熱は直接大気を温めているわけではありません。まず、地面を暖めて、その照り返しの熱で大気を暖めます。つまり、大気は地面に近いところから暖まる為、標高が高くなると気温は低下します。

南アメリカなど赤道に近い低緯度地域では、低地よりも標高が高い方が気温が低く過ごしやすい為、高山都市が発達しています。

海からどれくらい離れているかによる気温の変化

1年のうち、月平均気温が最も高い月と最も低い月の差を気温の年較差と言います。

気温の年較差は、赤道付近で小さく、高緯度ほど大きくなります。これは季節によって太陽から受ける熱量の差が低緯度地域で小さく、高緯度地域で大きくなるためです。

気温の年較差は、大陸の内部で大きく、沿岸部で小さくなります。これは大陸と海洋で暖まりやすさが違うからです。

海洋を構成する水は暖まりにくく、大陸を構成する岩石は水より暖まりやすいからです。つまり、同じ熱量を受けると暖まりやすい岩石はすぐに暖まり、温度が上昇しますが、水は暖まりにくく、温度はなかなか上昇しません。

大陸と海洋に当てはめると大陸は海洋に比べて暖まりやすく、冷めやすいので、大陸は海洋に比べて、夏は高温、冬は低温となる為、大陸内部は気温の年較差が大きくなります。

このような特徴をもつ気候を大陸性気候と言います。

一方、海洋は大陸に比べて暖まりにくく、冷めにくいので、海洋は大陸に比べて夏は低温、冬は高温となる為、海洋の影響を受けやすい沿岸部は気温の年較差が小さくなります。

このような特徴をもつ気候を海洋性気候と言います。

つまり、海からどれだけ離れているかによっても気温の変化に影響を与えます。

西岸気候と東岸気候

風や海流も気温に影響を与えます。北半球の中高緯度の大陸西岸と大陸東岸を比較すると夏の気温はあまり変わりませんが、冬の気温は大陸東岸の方が低くなるため、気温の年較差は大陸西岸で小さく、大陸東岸で大きくなります。

西岸気候

ユーラシア大陸西岸では、低緯度側の海洋から吹く偏西風と沖合を流れる暖流の北大西洋海流の影響で、冬は大陸東岸に比べて温暖になり、気温の年較差も小さくなります。

このような気候を西岸気候と言います。

東岸気候

一方、ユーラシア大陸東岸では、季節風が、夏には低緯度側の海洋上から吹いてきますが、冬には高緯度側の大陸内部から低温で乾燥した風となって吹いてくるため、冬は大陸西岸に比べて低温になり、気温の年較差も大きくなります。

このような気候を東岸気候と言います。