地理学

平野の地形!侵食平野と堆積平野について

目次
  • 平野の分類
  • 侵食平野
  • 堆積平野
  • 沖積平野
  • 洪積台地

平野の分類

平野は、形成される過程の違いから浸食平野と堆積平野に区分されます。

浸食平野は地表面が雨や風などで長期間削られて平坦化されたところです。

平坦になるまでに長い時間が必要となるので、最も古い時期に形成された安形陸海に多く見られます。浸食平野には準平原と構造平野があります。

堆積平野は、河川などによって運ばれてきた土砂が谷底や火口付近の浅い海底などを埋めて平坦化されたところです。

新しく形成されたものが多く、侵食平野に比べて規模も小さくなっています。

堆積平野には沖積平野、洪積台地などがあります。

侵食平野

侵食平野には、長時間にわたって山地が侵食されて平になった準平原と、古い地質時代に海底で水平に堆積した地層が隆起して陸地となり、その後、雨や風などにより浸食を受けて平になった構造平野があります。

構造平野の例としては、北アメリカ中央平原、アマゾン盆地、東ヨーロッパ平原などがあります。

構造平野で、硬い地層とやわらかい地層が交互に堆積しているところが緩やかに傾斜して地表面に露出していると、急な斜面と緩やかな斜面が連続するケスタ地形がみられます。

硬い地層とやわらかい地層が交互に堆積している部分が雨や風などによって侵食される時は、硬い地層は侵食があまり進みませんが、やわらかい地層は侵食がどんどん進みます。

このように地層によって侵食される速度が異なることで、硬い地層は侵食から取り残されて丘陵に、やわらかい地層は侵食が進んで低地となり、急な斜面と緩やかな斜面が連続するケスタ地形が形成されます。

堆積平野

河川には3つの大きな働きがあります。岩石や土砂を削り取る侵食作用、削り取った土砂を運ぶ運搬作用、運んできた土砂を積もらせる堆積作用の3つです。

これらの作用によって、さまざまな地形が形成されて行きます。

河川は上流では川幅が狭く、勾配が大きいため、流れが速くなりますが、下流では川幅が広く、勾配が小さくなるため、流れは遅くなります。

そのため、河川の浸食作用や運搬作用は上流ほど大きくなります。

河川は流れる速さや水量によって、地形を大きく変えていきます。

堆積平野には沖積平野、洪積平野、海岸平野があります。

沖積平野

一般に、河川は山地から流れてきて、平野部を通って海や湖に注ぎ込みます。

その際、河川が上流から運搬してきた土砂が色々なところに堆積していきます。

この河川の堆積作用によって形成された平野の地形をまとめて沖積平野と言います。

沖積平野には、河川が山地から平野に出たところに形成される扇状地、平野部で河川が氾濫した際に形成され、自然堤防や後背湿地などの特徴的な地形がみられる氾濫原、河川が海や湖に流入する河口部に形成される三角州などがあります

堆積物は上流から順にれき、砂、泥、粘土と次第に細くなっていきます。

洪積台地

洪積世(約260万年前から約1.2万年まで)に形成された堆積平野が隆起して形成された台地上の地形を洪積台地と言います。

台地なので、周囲の平野面より一段高くなった平坦地となっています。

洪積台地では、台地の崖下に古くから集落が形成されてきました。これは、台地の崖下は、湧水が得られることが多く、台地上よりも地下水までの深さが浅く、水が得やすい為です。

近代以前においては、農業や日常生活に必要不可欠な水を確保することが、定住して生活をする為の重要な条件でした。

一方、台地の上は地下水までの深さが深く、井戸を掘ろうとしても相当深く掘らないと水が得られません。

そのため、水が得にくく、集落の形成は遅れ、畑や果樹園などに利用されてきました。