文化人類学

イヌイットやエスキモーについて学べるおすすめの本!初心者でも極北の暮らしや文化を学べる本4選!

目次
  • イヌイットやエスキモーとは?
  • 初心者におすすめの本
  • 図説エスキモーの民族誌-極北に生きる人々の歴史・生活・文化-
  • イヌイット「極北狩猟民」の今
  • カナダ・エスキモー
  • 中級者向けの本
  • エスキモー 極北の文化誌

イヌイットやエスキモーとは?

エスキモーとは、シベリア北東端から、アラスカ、カナダ、グリーンランドにかけての広大な極北地帯に住む先住民族のことを欧米社会が呼ぶ総称です。

極北の先住民たちが自分たちのことを呼ぶ名称は地域によりイヌイットやイヌピアック、ユピックなど異なります。私たちも聞いたことがあるイヌイットとは、カナダの極北地方に住む先住民族の総称です。

極北の自然環境はとても厳しく、長い冬には一面氷雪の世界になります。大きな樹木は育たず、植物性の食料や材料はとても限られています。しかし、アザラシなどの海獣やカリブー(トナカイ)などの陸獣がたくさんおり、食料としてだけでなく、道具や衣類などにも使用することで厳しい自然環境に適用して、エスキモーたちは生活してきました。

この記事では、厳しい自然環境に適用したイヌイットの暮らしや文化について学ぶことができる本を紹介します。

初心者におすすめの本

図説エスキモーの民族誌-極北に生きる人々の歴史・生活・文化-

エスキモーやイヌイットについて学ぶ本の中で、一番おすすめの本です。

この本では、エスキモーの由来や歴史から生活全般にわたって分かりやすく紹介してくれます。

極北地方の自然環境、約6000年前にエスキモーの祖先たちがアジアから北アメリカ大陸に渡ってきた歴史、欧米人との出会いとそのいきさつ、エスキモーの身体的特徴や言語などを紹介する優れた民族誌です。

民族誌といっても難しい内容ではなく、私みたいな専門知識があまりない人にも理解しやすい内容です。

カナダ・エスキモー

元朝日新聞記者の本多勝一さんが現地民と生活した記録を記事にしていた文章をまとめた本です。

私が読んだエスキモーの本の中で唯一民族誌ではなかったので、たぶん50年ほど前ですが、生々しい現地民の生活や狩猟についてを感じることができてとても面白かったです。

特に犬を甘やかしてはいけないという章は他の本でも知ることができない内容で面白かったです。エスキモーはとても厳しく犬たちを調教します。それを見て可哀想に思った作者は、犬に優しい態度を数度しました。そうしたらある猟の日に、獲物を積むために作者たちだけで犬ぞりを使おうとしたとき、犬が言うことを聞かないうえに、獲物を犬たちが勝手に食べ始めてしまいました。作者たちは必死にムチを振って犬たちを止めようとしましたが、慣れないムチはあまりうまく振ることができず、ムチが体に絡まってしまいました。

現地民たちはそれを見て大笑いしました。一時滞在の作者たちは笑われて恥ずかしい思いをするだけで済みますが、犬ぞりが生活の一部であるエスキモーが犬に反逆されることは、厳しい自然環境で食料も限られているため、命にも関わります。

他の章でも、狩猟の方法や考え方についてなど私にとって未知のものがおおく書かれとても面白かったです。ぜひ読んでみて下さい。

イヌイット「極北狩猟民」の今

カナダのケベック州アクリヴィク村で、イヌイットと共に過ごした岸上伸啓さんが書いた本です。

現代に生きるイヌイットは、ジーンズを着て暖房のきいたプレハブ住宅に定住し、ピザやハンバーガーを食べ、コーラを飲みます。しかし、狩猟採集を全くしていないわけではありません。狩猟などはイヌイットが食料を得るだけでなく、文化的にも重要な役割を担っていることが分かります。この本は、そんなイヌイットの現代の生活や社会問題などについても書いてある本です。

自分が初めて読んだイヌイットについての本でしたが、初心者でも理解しやすいように説明してくれているので、イヌイットについての最初の本としてもおすすめです。

中級者向けの本

エスキモー 極北の文化誌

上に紹介した本に比べると、やや難しいかもしれませんが、エスキモーの生活について知ることができますし、言語学者の宮岡伯人さんが書いた本であり、言語や文化についてより深く学ぶことができます。

本の途中にエスキモーの説話である「ワタリガラス」や「セドナ」、「太陽と月」なども紹介され、エスキモーの文化について詳しく学ぶことができる本です。

より上級者向けの本もあると思いますが、自分も理解できないと思いますので、勉強してそのような本を読めるようになってから紹介したいと思います。

エスキモーについて知りたい方は以下の記事も読んでみて下さい。