地学

活断層とは?

目次

  • 活断層とは?
  • 活断層の活動時期を調べる
  • 正断層・逆断層・横ずれ断層
  • 活断層ができる地震の規模
  • 地震発生層とは?
  • 地震との共存

活断層とは?

出典:「2017年活断層フォトコンテスト 優秀賞受賞」より

活断層とは、震源断層が地表まで延びて出現したもののことです。

活断層の特徴は、活動によって地表に地震断層と呼ばれる断層地形を残すことです。

このように断層運動などで地形がずれて変化することを変位と呼びます。

活断層は将来活動する可能性のある断層と考えられますが、その根拠は、地表付近で最近の地質時代に活動の繰り返しの証拠があることです。

もし、活断層として知られていない断層が動いて地震が引き起こされたら、その断層は地震を引き起こした断層なので「震源断層」と呼びます。

活断層は震源断層が地表まで延びれて出現したものです。

活断層は最近の地質時代に繰り返し活動した証拠を持つということが重要です。

その証拠によって将来、活断層がどんな間隔でどのような自信を引き起こすかが推定できるからです。

活断層を引き起こす地震はM7級の大地震と考えられます。活断層が地表に変位を残す為には、地震時に地震断層が出現する必要がある為です。

活断層の活動時期を調べる

活断層の場所が特定できたら、断層でずれた地形や地層の年代をもとにいつ動いたのかという活動時期を推定していきます。

具体的には、地層の断面を掘り出して、その断面で断層がずれている地層と、その上に堆積した断層でずれていない地層のそれぞれの年代から、その間に断層の活動時期があったと知ることができるのです。

また、断層崖が崩れる時に堆積する含錐堆積物の存在からずれた時期を知ることも出来ます。

断層は、地下の岩石にひずみが溜まり、そのひずみが岩石の摩擦抵抗を超えた時にずれます。

内陸の活断層は、短いもので1000年、長いもので数万年の周期を待っています。

正断層・逆断層・横ずれ断層

上盤と下盤

断層面が傾いている断層を挟んで、断層面の上に乗っているほうを上盤、断層面の下の方を下盤といいます。

正断層

正断層とは、地面を両側から引っ張るような力がかかり断層が起き、地面が両側にずれる断層です。

正断層では上盤が断層面の下にずり下がります。

逆断層

逆断層とは、地面を両側から押しつぶすような圧力が加わり、地面がのし上がるように上にずれる断層です。

逆断層では上盤が断層面の上にのし上がります。

横ずれ断層

横ずれ断層とは、地面を水平方向に押す力が働き、力に対して斜め水平方向に断層がずれることです。

断層を挟んだ反対側の断層が左にずれる場合は「左横ずれ断層」右にずれる場合は「右横ずれ断層」と言います。

活断層ができる地震の規模

マグニチュード6.5以上の地層で地表に断層ずれが現れることが多くなると経験的に分かっています。

もちろん、震源断層が地下深いところにある場合には、マグニチュード6.5以上でも神戸市内のように地震断層が地表に出てこない場合もあります。

プレート境界の地震では、震源が数百キロメートルと非常に深いものがあるのに対して、兵庫県南部地震のような内陸地震の震源は、だいたい深さ10キロメートル程度です。

地震発生層

日本列島の内陸部は、地殻内でも地下20キロメートル以下は、とても高温です。

そこでは岩石が軟らかく変形してしまい、ひずみは溜められません。

一方、深さ10キロメートル前後は、岩石が硬くひずみを溜めやすい状態で、どこか割れ目がずれ始めると地震が起きます。

この岩石の層を地震発生層と呼びます。小さな地震は大きな地震より当然多く起きますが、それらは地震発生層の中だけで留まり、地面は揺れますが、地表には全く影響が出ません。

ところが地震のマグニチュードが大きくなると、断層の長さとずれも大きくなり、地震発生層を突き破って地表までずれが出てくる場合があります。

地震との共存

出典:「脆弱な日本列島」より

日本同様に地震が多発するカリフォルニアやニュージーランドでは、断層の上に家を建ててはいけないという規制があります。

たしかに、カリフォルニアやニュージーランド日本と比べて人口密度が低く、活断層の上を避けて家を建てることも出来るでしょう。

しかし、日本は山が多いので、ほとんどの人が平野や盆地に集中して住んでいます。

平野や盆地は、基本的に活断層がずれて生じた高低差を土砂が埋めて作られます。

平野の中心には一般的に川が流れていて洪水がよく発生するので、多くの人は平野の端、つまり、断層がある場所の近くに住んでいるということになります。

しかも活断層は数千年に1回しか動きませんから、そこに居住規制を設けるのは、非現実的だと考える研究者も多くいます。

日本列島には多くの活断層があります。日本のように、プレート境界に位置するところでは、断層から逃げては暮らせません。

地震について研究したり、工学的な防災対策を考えながら活断層と共存する方法を考える必要があります。