目次
- 弧状列島とは?
- 弧状列島が弓形をしている理由
- 弧状列島と火山
- マグマの形成に必要な水
- 火山フロント
弧状列島とは?
弧状列島とは、大洋と大陸の間にあり、大洋側に弓状にふくらんだ形の列島です。列島の大洋側に列島と平行な海溝があります。我々が住む日本列島も弧状列島の一つです。
日本海開裂により、ユーラシア大陸から離れて島が連なる日本列島が形成されました。その連なりが中央部で曲がっているのは、日本海の拡大によって分断された為ですが、それ以外にも弓の弧のように太平洋側に湾曲して張り出した区画がいくつも並んでいます。このような島の連なりのことを「島弧」あるいは「弧状列島」といいます。弧状列島の特徴は弓形の湾曲です。
日本海開裂について興味がある方は以下の記事も読んでみて下さい。
弧状列島が弓形をしている理由
弧状列島が弓形をしている理由は、プレートは球面上の湾曲した板ですが、この板が面積を変えずに、避けたり割れたりせずに地球の中に沈み込むためには、沈み込み口の平面系は弧状になります。バランスボールを押すと縁が円形(弧状)になるのをイメージしてみて下さい。球殻であるプレートが折れ曲がって他のプレートの下に潜り込むとき、その折れ曲がりの形は弧状になります。
弧状列島と火山
弧状列島の特徴を最も表しているの火山です。火山は地下のマグマがマントル内から上昇してきて地表に噴き出したものです。地下10キロメートルほどの深さにマグマをためるマグマ溜まりが出来ます。地殻深部からの供給でマグマ溜まりが一杯になり、地殻に加わる力が変化した際にマグマが地表に噴き出してくることが噴火です。
マグマの形成方法の一つはプレートの沈み込みで形成されるものです。岩石は温度が高いほど溶けやすいのですが、圧力が高いほど溶けにくくなります。地球内部は深部ほど高温で岩石は溶けやすいのですが、圧力も高くなるので、深い場所だからできやすいというわけでもありません。温度と圧力の関係から、岩石が最も溶けやすくなるのは深さ100キロメートル付近と考えられています。しかし、地下100キロメートルなら岩石が溶けてマグマになるという訳でもありません。
マグマの形成に必要な水
マグマが出来るには、更に融点の温度を下げる触媒が必要です。つまり、温度が低くても溶ける状態になる必要があります。その触媒となるのが水で、地下深部に水を供給するのは、沈み込んだ海洋プレートです。海洋プレートは沈み込む前は海底で水と接していた為、割れ目などの中に大量の水を含んでいます。海洋プレートが沈み込む過程で水が絞り出されますが、深さ100キロメートル付近で沈み込む海洋プレートからマントルに水が供給されると岩石の融点が下がり、マグマが形成されます。形成されたマグマは周囲より密度が低い為浮力で上昇し、マグマ溜まりにマグマを供給し、地表に火山が出現します。
火山フロント
このように火山は沈み込んだ海洋プレートの深度100キロメートル付近の地表から島弧の内側に出現します。海洋プレートの沈み込むプレートの深度がこれより浅い部分の地表には火山は形成されません。この火山が出来始める境界を火山フロントと言います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
弧状列島と海溝の関係について書いた記事も作成しましたので、興味がある方はぜひ読んでみて下さい。