地理学

多雨地域と少雨地域の特徴!

目次
  • 多雨地域の特徴
  • 赤道低圧帯の影響を受ける赤道付近
  • 亜寒帯低圧帯の影響を受ける緯度40~60度付近
  • 山脈の風上側
  • 少雨地域の特徴
  • 亜熱帯高圧帯の影響を受ける回帰線~緯度30度付近
  • 山脈の風下側
  • 海から離れた内陸部
  • 沖合を寒流が流れる低緯度の大陸西岸
  • 世界の降水量分布

多雨地域の特徴

様々な原因で水蒸気を含んだ空気が上昇すると、空気中に含まれていた水蒸気が上空で冷却されて雲となり雨が降ります。

つまり、上昇気流が発生するところで雨が降ります。

雨がたくさん降る地面の条件は以下となります。

  1. 赤道低圧帯の影響を受ける赤道付近
  2. 亜寒帯低圧帯の影響を受ける緯度40~60度付近
  3. 山脈の風上側

赤道低圧帯の影響を受ける赤道付近

赤道付近では、強い日射で暖められた地表付近の空気が上昇します。そのため、空気中に含まれる水蒸気が上空で冷却されて雲となり雨が降ります。

赤道付近は一年中雨が降るのでジャングル(熱帯雨林)が形成されます。

熱帯雨林気候の特徴についての記事もありますので、興味がある方は読んでみて下さい。

亜寒帯低圧帯の影響を受ける緯度40~60度付近

低緯度側からの暖かい空気と高緯度側からの冷たい空気がぶつかると冷たい空気が温かい空気の下にもぐりこみ、暖かい空気を押し上げて上昇気流が発生します。

そのため、空気中に含まれる水蒸気が上空で冷却されて雲となり、雨が降ります。このような雨を前線性降雨といいます。

日本付近に6月頃に停滞する梅雨前線も前線性降雨です。

緯度40~60度付近で亜寒帯低圧帯が発生するのは気圧帯によります。気圧帯について興味がある方は、以下の記事も読んでみて下さい。

山脈の風上側

湿った空気が山脈にぶつかると斜面に沿って上昇気流が発生します。そのため、空気中に含まれる水蒸気が冷却されて雲となり、風上側で雨が降ります。このような雨を地形性降雨と言います。

インド東部のアッサム地方では、夏にインド洋からの湿潤な南西季節風がヒマラヤ山脈にぶつかって上昇するため、多量の雨が降ります。

少雨地域の特徴

上昇気流とは逆で、下降気流のところでは雨があまりふりません。雨があまり降らない地域の特徴は以下となります。

  1. 亜熱帯高圧帯の影響を受ける回帰線~緯度30度付近
  2. 山脈の風下側
  3. 海から離れた内陸部
  4. 沖合を寒流が流れる低緯度の大陸西岸

亜熱帯高圧帯の影響を受ける回帰線~緯度30度付近

赤道付近で上昇した空気が下降してくる回帰線~緯度30度付近は下降気流が発生するため、雨があまり降りません。

サハラ砂漠など多くの砂漠も回帰線付近に分布します。砂漠が回帰線付近に分布することも気圧帯が影響しています。

気圧帯について興味がある方は以下の記事も読んでみて下さい。

山脈の風下側

上で述べたように湿った空気が山脈を超える時に風上側で上昇気流となり雨を降らします。

その後の乾燥した空気が下降気流となって吹き降りるため、山脈の風下側は乾燥します。

アルゼンチン南部のパタゴニアはこの影響で乾燥しています。

海から離れた内陸部

降水のもとになる水蒸気が海から供給されにくいため大陸内部も乾燥します。

ユーラシア大陸内陸部のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などがこれに該当します。

沖合を寒流が流れる低緯度の大陸西岸

亜熱帯高圧帯の下降気流に加えて、沖合を流れる寒流の影響で海岸部の地表付近の空気が冷却され、上昇気流が生じないため乾燥します。

アタカマ砂漠やナミブ砂漠がこれに該当します。

世界の降水量分布

1月と7月の世界の降水量の分布をみると、1月は赤道低圧帯が南下するため、赤道の南側で降水量が多くなっていますが、7月は赤道低圧帯が北上するため、赤道の北側で降水量が多くなっています。

東アジア、東南アジア、南アジアでは、1月は大陸からの季節風の影響で降水量が少なくなりますが、7月は海洋からの湿潤な季節風の影響で降水量が多くなります。

北半球の寒極であるシベリア東部では、1月には気温が著しく低下するため、強い高気圧が形成され、降水量は少なくなります。